「ひとつの理由」では説明できないビットコイン下落

From.西山

ビットコインが大きく揺れています。

ただ今回の下落は、
これまでのように“分かりやすい犯人”が
見えるタイプではなさそうです。

FRB? ETF流出? 長期保有層?

と“犯人探し”をしていますが、
単独犯はいません。

むしろ今回起きたのは、
複数の仕組みが同時に噛み合わなくなった結果として

「連鎖型の失速が起きた」

と考える方が
状況を捉えやすいかもしれません。

急騰の土台は「ひとつの物語」だった

4万ドル → 12万ドル超までの急上昇は、
たった一つの強い物語に支えられていました。

「利下げが始まる」
「ETFで資金が流れ続ける」

→ “長い強気相場が来る” 

という前提です。

市場はこの前提に沿ってポジションを膨らませ、
一部の取引所ではかなり高いレバレッジも
許容されていたと言われています。

“上がる前提の市場”が、
いつ壊れてもおかしくない状態だったのかもしれません。

そこへFRBがひとこと。

利下げ観測が後ろ倒しを示唆する発言をしました。

12月利下げの織り込みは、
90% → 40%へ。

この瞬間、ビットコインの強気ストーリーは

“土台から”消失します。

ETFは“入口”であると同時に“出口”だった

ETFは「機関投資家が買ってくれる装置」
として語られてきましたが、
同じだけ “売りやすい仕組み” でもあります。

ストーリーが崩れたと判断した投資家は、
彼らはワンクリックで市場から距離を置きました。

数日で11億ドルが流出。

これはパニックではなく、

「前提が崩れた資産を減らす」という

極めて合理的な動きです。

長期保有層の売りは“恐怖”ではなく“戦略”

さらに長期保有層も、
短期で大きく売り越しました。

ただ、これも悲観というよりは
次の動きに備えるための
“調整”だった可能性があります。

  • 利益が大きく乗っていた
  • 今後のボラティリティ上昇を警戒
  • 下がれば買い戻せる

つまり、“戦略的な一時撤退” です。

「買い手不在」の空白地帯に落ちた

問題は、ここから。

急落した価格帯には、
“自然な買い手”がほとんど存在しないと言われています。

  • 機関はリスクを縮小させるフェーズ
  • 長期保有層は買い直しの“待ち”
  • 小売は値動きに萎縮
  • 新規参入はレバレッジの焼却待ち

価格を受け止める層が、
一時的に消えている。

その“真空状態”が下落を加速させました。

さらに、サポート割れで清算が連鎖。

仕組みが仕組みを巻き込む形で
価格が押し下げられる 局面に入りました。

本質は“崩壊”ではなく“正常化”

ここで強調しておきたいのは、

「長期的な前提が大きく変わったわけではない」

という点です。

今回失われた6000億ドルの大半は、
急騰局面で膨らんでいた“倍率の泡”の部分です。

物語が剥がれ、レバレッジが焼かれ、
市場が現実(金利・ドル強さ)に再接続しただけ。

これは“終わり”ではなく、
レバレッジ市場が正常化していくプロセスに近い動きです。

 市場が探しているのは「ひとつ」

今の相場は、「なぜ下がったか?」を

議論している段階ではありません。

本当に重要なのは、ただひとつ。

“どの価格帯なら、本物の買い手が戻るのか?”

市場は今、そのラインを探している最中です。

そこを特定できた瞬間、
相場はまったく違う表情を見せます。

価格だけでは語れない“もう一つの変化”

そしていま。

日本では金商法の話題が出始め、
暗号資産の税制(最大55%)が
“20%へ近づく可能性”もささやかれています。

相場と制度が同時に揺れる時期は、
動く側と、動けない側が分かれる瞬間です。

もし今、
「自分はどちらに立つべきか?」
ふとでも思ったなら——

西山タイムズで相談してください。
最短ルートで、軸を整えます。

本日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

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