なぜ各国はステーブルコインを推進するのか──狙いは“富裕層マネー”

こんにちは、西山です。

ここ数年で、ステーブルコインをめぐる動きが
一気に加速しました。

アメリカはGENIUS法で制度化、
中国は香港で解禁、EUもMiCA規制を整備。

「なぜ各国はこんなに急ぐのか?」

理由は大きく3つに整理できます。

理由①:ドル覇権を強化したい(米国)

まずアメリカ。

今年7月、「GENIUS法」という法律が
成立しました。

GENIUS法とは、ステーブルコインの裏付けに
ドルや米国債を義務づけ、発行体に監査や登録を課すことで
「安全なドル建てコイン」を制度として認めた法律です。

では、なぜそんな法律を作ったのか?

狙いはシンプル。

「ドルをデジタル空間でも基軸通貨にする」ためです。

世界のステーブルコイン流通量の
約98%がドル建て(FT報道)。

これを制度で固めれば、
暗号資産の世界でもドルの一人勝ちが続きます。

もう一つ裏事情があります。

アメリカは長年貿易赤字。

赤字でもドルが世界を回るから基軸通貨を保てる一方、
国内にはドルが残らないという問題を抱えています。

逆に黒字に転じても、海外にドルが流れず
基軸通貨の地位が揺らぐリスクがある。

そこでステーブルコイン。

裏付けに米国債やドルを組み込むことで、
世界にドルを流しながら実物は国内に縛りつけられる。

要するに──

「赤字でも黒字でも、ドル覇権を維持できる仕組み」。

これがGENIUS法の本当の狙いです。

理由②:富裕層マネーを囲い込みたい(中国・香港)

次に中国。

本土では暗号資産を禁止しているにもかかわらず、
香港ではステーブルコインを解禁しました。

「一国二制度」を利用して、
香港を“資産実験場”にしているのです。

なぜか?

富裕層マネーの海外流出が止まらないからです。

2024年だけで中国からの富裕層資産流出は
約50兆円規模と推計されています。

人民元ステーブルを用意すれば、
逃げ場を国内圏に縛れる。

要するに「富裕層マネーを囲い込むための罠」こそが、
香港解禁の裏の狙いです。

理由③:銀行預金の流出リスクに備えたい(世界共通)

そして最後は、
銀行システムそのものへの危機感。

そもそも、銀行って
本当に“安全な金庫”でしょうか?

  • ・金利は雀の涙
  • ・預金保護はたった1,000万円
  • ・海外送金は「まだFAX使ってるの?」と思うほど遅い

これで「安心して預けられる場所」と言われても、
富裕層が肩をすくめるのも無理はありません。

だからこそ、資産は銀行から逃げ出していくのです。

実際、米国の銀行団体は議会でこう警告しました。

「ステーブルコインの普及によって、
最大6.6兆ドル(約1,000兆円)の預金が銀行から流出しかねない」

──銀行にとって預金は貸出の原資。

それがごっそり逃げれば、
信用供与も経済の回りも縮みます。

だから各国は

「どうせ預金が逃げるなら、
自国通貨建てのステーブルコインで逃げてもらえ」

と考えるようになったのです。

銀行からの流出を“自国通貨のデジタル版”で受け止める。

これが各国共通の現実的な狙いです。

結局の主役は「富裕層マネー」

米国はドル覇権を強化したい。
中国は富裕層をつなぎ止めたい。
各国は銀行から資金が逃げるのを防ぎたい。

でも突き詰めれば、
主役はいつも富裕層マネーなんです。

富裕層が資産をどこに置くか。

その選択がドル化を強めもすれば、
人民元を押し上げもする。

制度もニュースも、結局は富裕層マネーの行き先に
振り回されているに過ぎません。

ここで大事なのは、富裕層がすでに
「銀行から資産を逃がしている」という事実です。

そしてその流れは、
数年遅れで必ず僕たちにも押し寄せます。

「銀行に預けておけば安心」そう信じ続ける人と、
「資産をどこに置くか」を今から考える人。

未来の残高に差がつくのは、
火を見るより明らかです。

そしてその流れは僕たち個人投資家の
資産戦略にも直結します。

あなたの資産は、どこに置きますか?

PS

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「これでいいのか?」と少しでも迷いがあるなら、
まずは僕に相談してください。

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あなたの状況に合わせて、
ニュースの裏側をどう投資戦略に落とし込めばいいか──

一緒に考えていきましょう!

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