「いま投信やってる人、全員プラス?」──“数字のカラクリ”を見抜け

こんにちは、西山です。

ある金融庁の資料を見て、
思わず「うそでしょ…?」と声が出ました。

「投信保有者の9割以上が含み益 ── 2024年3月末時点」

これ、金融庁が公表した共通KPI(※)のデータなんですが、
全国の金融機関の投資信託ユーザーを対象にしたもので、

「全体の約91.5%が“プラス運用”だった」

という、にわかに信じがたい数字が並んでたんです。

※ KPI(Key Performance Indicator)
ここでは、金融庁が定義する「投資信託の運用成績の共通指標」を指します。

「もう、みんな儲かってる」時代?

実際、この数字だけを見れば、
こう思いたくなると思います。

  • ・投信って、やっぱり勝ちやすいのでは?
  • ・今のうちに始めないと損?
  • ・NISAと組み合わせれば無敵では?

でも──

僕はこの数字を見たとき、
“ある種の危うさ”を感じたんです。

数字はウソをつかない。でも、“切り取り”はする。

実はこの「運用益9割プラス」という数字には、
落とし穴があります。

なぜなら、このKPIは
こんなふうに計算されているからです。

顧客が「買ったとき」から「2024年3月末まで」の運用損益

つまり、人によって
運用期間がバラバラなんです。

たとえば…

  • ・2020年に買ってガチホしてる人も
  • ・2024年1月に買ったばかりの人も

ぜんぶまとめて
「今どれくらい儲かってるか?」を
計算しているというわけです。

本当に“実力”なのか、“時の運”なのか

実際、2023〜2024年にかけては、
日本株も米国株も非常に好調。

  • ・日経平均:バブル後最高値を更新
  • ・米S&P500:AIブームで連騰
  • ・円安+新NISA開始で資金流入

などなど、つまり
「投信を始めるタイミングとして完璧すぎた」
時期だったわけです。

だから、そこで買った人の多くが
プラスなのは当然と言えば当然なんですよね。

「1年でここまで変わるって、おかしくない?」

ちなみに、1年前──

2023年3月末時点のKPIでは、
含み益の投資家は全体の約68%。

それが、たった1年で91.5%に急増。

これはもう、「実力で勝ってる」というより──
“みんなが勝てる相場”だっただけなのかもしれません。

バブルとは、後になって気づくもの。
でも数字を見れば、その“膨らみ方の異常さ”には
ちゃんと前兆がある。

見るべきは、「数字」より「その裏側」

投資の世界で、数字は“証拠”になります。

でも大事なのは、その数字が
どんな前提の上に成り立っているかを読み取る力です。

  • ・「プラス9割」って言っても、それ何年持ってた人?
  • ・「リターン7%」って、その代わりにどんなリスク背負ってた?
  • ・「コスト高い」って、それ以上に儲けてればむしろ良いんじゃない?

そういう問いを持てるかどうかで、
数字に振り回されるか、味方にできるかが変わってきます。

僕が今回このKPIの数字を取り上げたのは、
「数字のマジックに惑わされる人を減らしたい」からです。

数字は便利です。力もあります。

でも、それだけに“誤解を生む力”も持っている。

だからこそ──

「数字は正しい。でも、それをどう読むかは自分次第。」

投資をするなら、そんな目を持ちたいところです。

──それは、あなた自身の投信口座を見れば、わかります。

「みんなが儲かってる」と言われても、
あなたの投信がプラスとは限らない。

逆に、周りが含み損でも、
あなたは勝っているかもしれない。

結局、数字の正体は“自分の画面”にあるんです。

それでも、判断に迷うなら──
僕が【西山タイムズ(LINE)】で一緒に読み解きます👇

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