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資産運用において、どう増やすかも重要ですが、どう減らさないかも同じくらい重要です。
そこで本日はある小説で描かれた〝20億円の合法無税相続スキーム〟の事例を紹介したいと思います。
※本記事はフィクションに基づく事例紹介であり、現実の税務対策としてそのまま適用できるものではありません。実際の相続や資産移転に関しては、税理士や弁護士などの有資格者に必ずご相談ください。
橘玲の小説『永遠の旅行者』は、真鍋という元弁護士が、見知らぬ老人から驚くべき依頼を受けるところから物語がはじまります。
その依頼内容は、
〝20億円の資産を息子ではなく、孫娘に相続させたい。ただし1円も納税せずに。〟
といったものでした。
真鍋はその依頼を、合法的な方法しか使わない、という条件で引き受けます。
*以下ネタバレ注意
20億円を孫に〝無税〟で相続させた驚愕のスキーム
依頼人である老人、祖父Aは息子Bを飛ばして、孫Cに20億円を渡したいが、日本の相続税を払いたくない。
これを受けて主人公の真鍋(元弁護士)がスキームを組み立てました。
細かい箇所は省きますが、大まかな流れはこうです。
1.海外法人を設立し、息子Bの借金を買う
- 真鍋が海外のタックスヘイブンに法人を設立
- その法人をつかって、息子Bが抱える借金を安値で買い取る
- これで真鍋の海外法人が息子Bの借金を回収できる立場になる
2.息子Bを行方不明認定
- 息子Bを法的に死亡または行方不明認定し、相続発生の状況を作る
- 孫Cが息子Bの借金の相続人となる
- この借金の保証人として祖父Aが名乗り出る
3.祖父Aが借金を肩代わりし、20億円を真鍋の海外法人に渡す
- 孫Cは借金を払えないので、債権者(真鍋の海外法人)が祖父Aに請求
- 祖父Aは仕方なく、自分の持つ20億円の資産を海外法人に差し出す(代物弁済)
- これで祖父Aの資産は完全に海外法人に移転する
4.孫Cを海外に移住させ、真鍋の法人から財産贈与
- 祖父Aが死亡し、日本の相続財産はゼロになる
- 孫Cを海外留学させ、日本の税法上「非居住者」にする
- 真鍋の海外法人が、孫Cに20億円相当の資産を贈与する
- 非居住者同士の資産移転なので、日本の相続税・贈与税はかからない
このスキームの肝は、借金の相続と保証人の仕組みを利用して、資産を海外法人に移したあとに贈与することです。
実際の税務調査では疑われる可能性は高いかもしれませんが、物語内で合法な手法として描かれています。
現実的な適用の課題とリスク
このスキームは、あくまでフィクションの中の話であり、実際の適用には慎重な検討が必要 です。
特に、日本の税務当局は 「租税回避」と見なされる行為を厳しく監視 しており、税務否認される可能性が高い でしょう。
実際の税務判断では、以下の点が重要になります。
✅ 税務当局による「実態」判断
実際に経済的合理性があるかどうかが精査される。 人為的なスキームと判断されれば、否認される可能性がある。
✅ 「国外財産調書」などの提出義務
海外に資産を移す場合、日本の「国外財産調書制度」により、税務署に詳細な報告が必要。
✅ 過去の判例では類似スキームが否認されたケースも
国税当局は、経済的合理性のない「相続税回避策」を厳しく取り締まっている。
専門家に相談を
相続税の負担を抑えるための対策は、個々の状況によって適用の可否が異なります。
弊社では、税務に精通した弁護士・税理士と顧問契約しており、先生方は適法な相続・資産承継の選択肢についてアドバイスが可能です。
興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
*必ずしもご紹介やアドバイスができるわけではございません。弊社にて専門家にアドバイス可能かヒアリングいたします。
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