From.IMAI
昨今、好業績にも関わらず、リストラを進める企業が
増加していることはご存知でしょうか?
先日、日本経済新聞にて面白い分析が発表されました。
2019年に早期・希望退職を実施した上場企業35社の業績を、
日本経済新聞が分析したところ、20社が直近の通期最終損益が
黒字で好業績企業のリストラが急増していることが分かりました。
これらの黒字企業のリストラの数を見ると、
中高年を中心に約9,000人。
2018年と比べて、リストラ数は約3倍にも増えたそうです。
この数は、早期・希望退職を促した数ではなく、
実際にリストラにあった方の数です。
特に、この「黒字リストラ」で目立った企業は、
アステラス製薬や中外製薬といった製薬業界でした。
近い将来、薬価の引き下げや、
国外メーカーのライセンス販売終了などの不安があるために、
先行で黒字リストラを行ったとしました。
リストラというと、企業の業績不振が原因で
行われているイメージが大きいかと思います。
では、なぜ好業績の企業にも関わらず、
リストラが増えているのでしょうか?
理由としては、
政府が進める「働き方改革」や「70歳定年雇用努力」などで、
今後、企業側は人件費の負担が増えると予測しています。
一方で、ほとんどの大手企業では売上が停滞気味で、
今後大幅に拡大する可能性も低いと言えます。
将来に備えて今のうちから人件費を下げて、
利益を確保しようという企業が増えていると考えられています。
多くの企業では、給与が高く負担となる年代をリストラし、
優秀な若手社員に厚く配分する傾向になりつつあります。
また、技術の進歩にともないAIを導入し、
業務の合理化を行う企業も増えています。
システム導入費用などに固定費が掛かるため、
人件費にしわ寄せがきている面も考えられます。
黒字リストラ。
つまりこれは、「終身雇用の終わり」を示しています。
トヨタの社長や経団連の社長が、
「終身雇用を守っていくのは難しい」
と発言したニュースが話題になりましたね。
終身雇用を続けることは企業にとって、
また株主にとって不利益なことになります。
となると、企業の利益・存続を最優先に考えると
終身雇用をやめざるを得ない状況にあります。
この変化の激しい時代に、企業は不安を抱えています。
黒字経営の企業、売上が上がっている企業も多いですが、
その売上は、内部留保(企業が将来に向けて貯めているお金)しています。
その額は、なんと約450兆円。過去最多の額だと言われています。
東京オリンピック開催後には、
景気が後退すると考える企業もいます。
いつ経済がバブル崩壊するか分からない時代に、
固定費である人件費をなるべく削減しようとしている
企業もあるようです。
このような不安定な時代で、
企業や国がみなさん自身の人生は守ってくれません。
私たちにできることは何でしょうか?
まずは、危機感を持ち、学び、スキルをつけることです。
景気に左右されないためにも、
まずは自分に投資をすることから始めましょう。
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